熱処理工事

機械構造製品、発電プラント、石油精製・化学プラント、橋梁他各種鋼構造物の溶接部の残留応力除去・軟化・組織改善を目的に溶接部の熱処理業務も賜ります。

1.熱処理と言っても種類は様々

一口に熱処理と言っても、実は「焼なまし」「焼ならし」「焼入れ」「焼戻し」等と種類があります。その中でも弊社では、焼なまし(応力除去焼鈍)を溶接部に施す業務を行っています。

2.なぜ焼きなましを行うの?

配管と配管を繋ぐ際に行われる溶接は、溶接棒を溶かしこむことによって繋ぎとめています。その際に発生する加熱と冷却の繰り返しによって硬化と歪みが生じます。これによって、配管と配管の継ぎ目(溶接部)が硬く脆い材質となってしまいます。 この状態を人で例えると動脈硬化になっていると言えます。テレビでも言われているように動脈硬化は血管が堅くなり血液の流れに血管が耐えきれず、破裂しやすい状態のことです。配管も同じようにガスや蒸気が流れていきます。それこそ、配管を徐々に削り取ってしまうくらいの圧力がかかっています。 そこで行われるのが『焼きなまし』という工程です。この工程は、金属の軟化と安定化を目的としており、例えるならガラスの管をゴム管に替え、蒸気の流れを柔軟に受け止め送り出せるようにするということです。

3.焼きなましはどうやって施工するの?

溶接によって「硬く脆い材質」になった継ぎ目を軟化・安定化させるのには、もう1度熱を加え、金属組織を改善させなければなりません。しかし、ただ熱を加えるだけの工程ではなく、JIS等で定められた条件下のもとで熱を加えます。

4.どうやって熱を加えるの?

熱処理課では、誘導加熱と抵抗加熱の2種類の加熱法をメインに熱を加えます。 これらについて簡単に説明すると、誘導加熱は溶接部や配管自体に自己発熱を促す加熱方法です。抵抗加熱は、抵抗媒体を溶接部や配管にセットし抵抗媒体の発熱で加熱する方法です。

弊社では以下の装置を使い予熱・焼鈍施工を行います。

高周波誘導加熱装置

インバーター式誘導加熱電源。
出力周波数1〜5KHz、出力電力20kw
φ200~φ600の配管溶接部の予熱・焼鈍施工に最適。

インダクションコイル

小1本30M程の長さがありφ200~φ600の
配管溶接部の予熱・焼鈍に使用される。

高周波誘導加熱

溶接部又は溶接部周辺の配管にコイルを巻き付け、それに交流電流を流すことにより、磁界を発生させる。 それによって、溶接部に渦電流が流れ、溶接部と配管の 金属の抵抗によって熱が発生します。 その発熱でもって加熱していきます。

予熱

高周波誘導加熱装置を使用して、主蒸気配管
φ550×50t溶接補助の為、150℃~200℃に
予熱施工状況。

予熱の効果

予熱の目的としては、溶接時に金属内部に取り込まれた拡散性水素を大気中に放出する役割と、溶接した瞬間からの冷却速度を小さくし、熱影響部の硬化を抑えるなどの、低温割れを未然に防ぐ役割を担っています。

UDT-24

UDT-24

電気抵抗加熱装置

高周波加熱ではできない小径配管や大型構造物の焼鈍作業に最適。

抵抗発熱体

セラミック硝子に、ニクロムより線(φ3.8)を通して製作します。
[1]フレシキブルな対応可
[2]施工物の大きさ、形状に合わせて製作可

UDT-24

UDT-24

低周波誘導加熱

商用周波数(50Hz or 60Hz)、出力160Kwの
低周波誘導加熱装置を使用して、
主蒸気管φ609.6×88.0t焼鈍状況。
インダクションコイル325sq×24巻

UDT-24

 

機器所有台数

高周波誘導加熱装置(上記写真@)・・・29台
電気抵抗加熱装置 (上記写真A)・・・74台
温度記録計 (上記写真B)・・・34台